今日と言う1日は所詮数ある中の1日でしかない――
朝から高校男児が何を思っているかって?
そりゃこんな状況に居れば誰でも考えることだ。
今から起こりうる出来事に対して何も考えずにいられる人がいたらそいつは大層な大物だろう。いや……もしかすると変人なのかもしれない。
ごったがえす人々 鳴り響くアナウンス
そう……俺は今まさに通勤ラッシュ真っ只中の駅のホームにいた。
天候は雨。晴れの日と比べれば人がいつもより最低でも1.5倍増になっていることくらい容易に想像出来る。
しかし俺は来てしまった。この戦場に……自らの足で目的地へと辿り着く為に。
それはこの場にいる人々全てに言えることだ。一個人の人生の中にある小さな1日……夜が来れば忘れてしまいそうな そんな出来事。
――今日と言う1日は所詮数ある中の1日でしかない が、
確かに今が今であることに何等変わりはない――
気付いた時にはあった目の前の扉が音を立てて開き始めた。
ぎゅむ。
状況を言うと漫画のような擬音が聞こえてきそうな感じだ。いや、実際はこんな可愛い音なんかしない。感覚が脳に伝えるのは内臓への圧迫感と微かに胸の骨が軋む音だけ。…極端と思うかもしれないが実際にそうなんだ。
駅を出発した電車内は様々な思惑が入り乱れる混沌と化していた。
それも今回は人の多さが尋常じゃない。いやまじで。どう考えても多すぎる。
新宿など日常的に混む駅では乗客が一定量超さないように乗ってきた人をホームへ押し戻すアルバイトか何かがあるという。具体的にその一定量がどのくらいかは判りかねるが、もし俺がアルバイトだったら問答無用で押し戻しているだろう。
っつ-か……痛え。リアルに身体が痛い。
油断すると持っていかれそうな鞄と傘を掴む力を一層強くしてそれを防ぐ。
そんな時 事件は起きのだ。
キキィー!!
ゆっくりと、しかし確実に今まで走っていた電車のスピードが落ちる。
駅まではまだ遠い……まさか……。
俺の予測が現実になるまでにそう時間は掛からなかった。
……ザザ…え-只今田端駅の緊急停止ボタンが押されました……現在安全確認中です…お客様には大変ご迷惑をお掛けしますがもう暫くお待ちください……ザー…
沈黙する電車内。
言葉にこそしないものの、各人は困惑の色を隠せないみたいだ。
当たり前だ……皆早くこんなとこ抜け出したいのに、現時点で唯一の移動手段が停止してしまったのだから。
いくら不可抗力と言えどこの状態は大人でも堪えるだろう。
実際問題、俺もかなりキツい。こんな時こそ冷静になるべきだと自分に言い聞かせたものの、幾つもの身体的要因が邪魔をしているせいかあまり効果は無かった。
……何分くらい経っただろう。
俺(たち)は停止してから全く同じ体勢 同じ状況に置かれたまま何の連絡も無しに待たされていた。少なくとも、数十分は経っている筈。
息苦しい。電車内の空気が薄くなってきた。そりゃそうか…こんなに人がいるのにドア開かないんじゃあな…
加えてこの圧迫感……え……ちょっ待…まじでやばい……!
身体の限界をじわじわと感じてきた矢先、頭の上から神の声が聞こえてきた。
…ザザ……大変お待たせ致しました…安全確認が終了しましたので運転を再開致します……ザ…
電車が再び走り出した。
-----------------------------------------
この後私はあまりの混み具合に目的地で降りることが出来ず、一つ先の駅でなんとか降りることが出来たもののホームは大混雑しており(警備員が階段を封鎖していました)、仕方なく雨の中一駅分を歩き学校に辿り着きました。
本当は学校到着までを書くつもりでしたがあまりにも長くなりそうなのでやめに…。
久しぶりに長文だ。疲れた疲れたっと…
END
朝から高校男児が何を思っているかって?
そりゃこんな状況に居れば誰でも考えることだ。
今から起こりうる出来事に対して何も考えずにいられる人がいたらそいつは大層な大物だろう。いや……もしかすると変人なのかもしれない。
ごったがえす人々 鳴り響くアナウンス
そう……俺は今まさに通勤ラッシュ真っ只中の駅のホームにいた。
天候は雨。晴れの日と比べれば人がいつもより最低でも1.5倍増になっていることくらい容易に想像出来る。
しかし俺は来てしまった。この戦場に……自らの足で目的地へと辿り着く為に。
それはこの場にいる人々全てに言えることだ。一個人の人生の中にある小さな1日……夜が来れば忘れてしまいそうな そんな出来事。
――今日と言う1日は所詮数ある中の1日でしかない が、
確かに今が今であることに何等変わりはない――
気付いた時にはあった目の前の扉が音を立てて開き始めた。
ぎゅむ。
状況を言うと漫画のような擬音が聞こえてきそうな感じだ。いや、実際はこんな可愛い音なんかしない。感覚が脳に伝えるのは内臓への圧迫感と微かに胸の骨が軋む音だけ。…極端と思うかもしれないが実際にそうなんだ。
駅を出発した電車内は様々な思惑が入り乱れる混沌と化していた。
それも今回は人の多さが尋常じゃない。いやまじで。どう考えても多すぎる。
新宿など日常的に混む駅では乗客が一定量超さないように乗ってきた人をホームへ押し戻すアルバイトか何かがあるという。具体的にその一定量がどのくらいかは判りかねるが、もし俺がアルバイトだったら問答無用で押し戻しているだろう。
っつ-か……痛え。リアルに身体が痛い。
油断すると持っていかれそうな鞄と傘を掴む力を一層強くしてそれを防ぐ。
そんな時 事件は起きのだ。
キキィー!!
ゆっくりと、しかし確実に今まで走っていた電車のスピードが落ちる。
駅まではまだ遠い……まさか……。
俺の予測が現実になるまでにそう時間は掛からなかった。
……ザザ…え-只今田端駅の緊急停止ボタンが押されました……現在安全確認中です…お客様には大変ご迷惑をお掛けしますがもう暫くお待ちください……ザー…
沈黙する電車内。
言葉にこそしないものの、各人は困惑の色を隠せないみたいだ。
当たり前だ……皆早くこんなとこ抜け出したいのに、現時点で唯一の移動手段が停止してしまったのだから。
いくら不可抗力と言えどこの状態は大人でも堪えるだろう。
実際問題、俺もかなりキツい。こんな時こそ冷静になるべきだと自分に言い聞かせたものの、幾つもの身体的要因が邪魔をしているせいかあまり効果は無かった。
……何分くらい経っただろう。
俺(たち)は停止してから全く同じ体勢 同じ状況に置かれたまま何の連絡も無しに待たされていた。少なくとも、数十分は経っている筈。
息苦しい。電車内の空気が薄くなってきた。そりゃそうか…こんなに人がいるのにドア開かないんじゃあな…
加えてこの圧迫感……え……ちょっ待…まじでやばい……!
身体の限界をじわじわと感じてきた矢先、頭の上から神の声が聞こえてきた。
…ザザ……大変お待たせ致しました…安全確認が終了しましたので運転を再開致します……ザ…
電車が再び走り出した。
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この後私はあまりの混み具合に目的地で降りることが出来ず、一つ先の駅でなんとか降りることが出来たもののホームは大混雑しており(警備員が階段を封鎖していました)、仕方なく雨の中一駅分を歩き学校に辿り着きました。
本当は学校到着までを書くつもりでしたがあまりにも長くなりそうなのでやめに…。
久しぶりに長文だ。疲れた疲れたっと…
END
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