――決して砕かれることのない壁。
頭ではこうも理解しているのに、どうして人はその先へ進むことをやめないのだろう。
強制力の欠片もない鎖を何故外そうとはしないのだろうか。
ただはっきりしているのは全部が全部納得できる答えなどないということだ。
もしそれがあったとしたらこの世界は大層つまらないものになっていただろう。
だからこそ俺達は実感できる。
誰かに命令されたからやるのではなく、ただ自らの答えを追い求めればいいのだ、と――
刹那、瞬く間の抜刀。
見えたのはあいつの手が腰に帯刀している刀の柄に触れたところまでだった。間合いは十分取ったつもりだったが、どうやら甘かったらしい。
文字通り一瞬にして放ってきた奴の逆袈裟斬りを咄嗟に構えた小太刀で防いだあと直ぐに後ろへ飛び、さっきよりも多めに距離を取る。
「初撃を防いだこと、誉めてやる。が……次はもっと疾い。」
少し細めの刀を鞘に納めながら奴が言う。
居合い、か……この手の達人とやり合うのは初めてだったかな。それなら……
「…なんの真似だ?」
俺は持っていた小太刀を、これまた小さい鞘に鞘に入れ奴とちょうど鏡合わせの姿勢をとる。
「目には目を、ってな。いいから早くかかってこいよ。」
疾さには自信があった。が、これは賭けだ。
あいつが命を掛けるなら……俺も命を掛ける。
「その選択……間違いだったと身を以て知るがいい。」
二人の男が、同時に地面を蹴った。
―――――――――――――――
なんちゃって小説でした(
END
コメ返は後日
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