流刹生活２

外でスーパーカブの音がする。
朝早くからご苦労なことで。
時間的には夜更かしっつーより早起きレベルだけど勿論前者なのは言うまでもないですよね。

夜はいくらでも起きてていいんだ。ただ次の日、寝坊さえしなけりゃいい。
しかし、口ではいくらでも言えるのも事実。実証してやるから見ておきなさいっ



ええと今日は新しく納車することになった車を親父と取りに行った。
場所は覚えてないが、滅茶苦茶遠い。電車を2回以上乗り換えるなんて修学旅行以来だ。
現場について業者さんと親父の話を横で聞いていると、何やら交換の必要のあるパーツは全て徹底的に交換したので出来上がりは最高…らしい。
資料確認も終わり、いざ車へ。



ガチャッ（エンジン点火




ブオォォォォン！






な……な……


なんだこのエンジン音…！

BMWには到底敵わないが、低くて重みのある音が伝わってくるのがわかる。
これが……中古車だと…？
助手席にいる俺がここまで驚いているのだから、無論運転席にいる親父のテンションは異様に高い。
発進 加速 停車……全てがスムーズだ。
特に発進。水が流れるようにスーッと進む。大袈裟と思われるかもしれんが、本当にそうなのだから仕方ない。
これで平成12年型……。信じられん。業者の卓越した技術力にただ驚くばかりだ。
外装も余程綺麗に仕上げたのだろう、傷ひとつ見当たらない。

帰りは首都高にのって帰ってきた。ああ、こんな快適なら俺も免許証持ってくるんだったな。
しかし 今度は廃車にできない。



END